カンボジア学校保健プロジェクトでは、大学の春休みである3月、実際にカンボジアに行ってスタディーツアーを行います。現地の教員養成大学の学生たちとの交流や、小学校の見学を行い、学校保健の状況を肌で感じ、より深い学びにつながります。また、アンコールワットなどの有名な遺跡群や、現地料理のクメール料理を体験するなど、カンボジアについて深く知る貴重な機会でもあります。実際にカンボジアに行くことで、社会や文化、生活、人々の様子に直接触れることができ、多様な価値観を学ぶことができます。
学生の声

カンボジアスタディツアーでの経験と成長
このスタディツアーでは、カンボジア教員養成大学(TEC)の学生と交流し、TECの附属小学校の児童に保健指導を行っただけでなく、カンボジアの文化や歴史についても学ぶことができました。
スタディツアーの3日目にバッタンバン教員養成大学(BTEC)の学生と活動した際、自分の英語力の低さからうまくコミュニケーションが取れず、とても悔しい思いをしました。しかし、英語がうまく話せないからといって何もしないわけにはいかないので、ジェスチャーや簡単な英語を使って自分の伝えたいことを必死に伝えました。その結果、TECの学生とコミュニケーションが取れた時は、とても嬉しかったです。
しかし、BTEC附属小学校での保健指導では、一つの問題に直面しました。前日に私たちの指導計画をBTECの学生に明確に伝えられていなかったため、導入部分で戸惑ってしまいました。クメール語が話せない私たちは、保健指導はBTECの学生に任せ、自分たちはサポートに回るつもりでしたが、その意図がうまく伝わっていませんでした。この経験を通して、保健指導を全て任せるのではなく、「彼らの保健指導であると同時に、私たちの保健指導でもある」ということを実感しました。
この反省を踏まえ、プノンペン教員養成大学(PTEC)附属小学校での指導方法を改善しました。導入部分では、私たちが英語で教えた内容をPTECの学生にクメール語に翻訳してもらうようお願いしました。また前日には模擬授業を行って、PTECの学生が保健指導の流れをイメージしやすくなるようにしました。保健指導をより良いものにしたいという共通の思いのもと、他のTGUの学生たちと協力し、短い準備期間でも内容を大きく改善することができました。
このスタディツアーで最も嬉しかったのは、保健指導の中でTECの学生の助けがなくても、子どもたちと直接コミュニケーションが取れた瞬間です。言葉の壁を乗り越え、心が通じ合う喜びを実感することができました。
また、言葉が通じなくても、子どもたちが見せてくれた明るい笑顔や歓迎してくれている姿に心を打たれました。子どもたちと関わることが本当に好きだと改めて実感し、先生は子どもの笑顔のそばにいることができる特別な存在であると感じました。
TECでの活動以外にも、マーケットでの買い物やサーカス学校でのサーカス鑑賞などを通して、カンボジアの文化や背景について考える機会を得ました。日本とは異なる人柄や文化、環境に触れ、世界についてより深く学ぶことができました。
日本では、自分のネガティブな性格のせいで積極的になれなかった私ですが、カンボジアでのTEC学生との交流のおかげで、殻を破って成長することができたと思います。カンボジアで得た経験や感情を大切にし、これからも成長を続けていきたいです。(2024年度 W.M)



カンボジア
今回のスタディーツアーは私にとって初めての海外でした。日本では感じられないような思いや体験をたくさんすることができ、貴重な経験になりました。私が特に印象に残っていることは、学生との交流と小学校で行った保健指導です。
学生との交流では保健指導の中身について伝えることに加え、お互いの国の文化や教育についてなどさまざまな話をしました。初対面だと日本語ですら話すことが苦手な私にとって英語で初対面の人と話すことはすごくハードルが高かったのですが、簡単な英語でも相手が理解してくれたり、大きくリアクションすることによって相手と意思疎通をすることができました。そしてそれまで英語は勉強するもの、という認識でしたが学生交流を通して英語はコミュニケーションのツールだということを強く感じました。英語を話すのは苦手でしたが、カンボジアの学生と話しているときは普段は感じられないような話すことの楽しさ、面白さがわかってきました。
小学校で行った保健指導では運動習慣というテーマのもと、日本のラジオ体操を通して運動の大切さを小学生に伝えました。日本語が通じない子供達に授業をするのは難しかったのです。頑張って簡単なクメール語を覚えて子供達に言ってみたり、動きを大きくしてみたりなど工夫をしながら授業を無事に終えることができました。今回の小学校での保健指導が人生で初めての授業でした。大学1年生のこの時期に授業を行った経験というのは今後教育実習など実際に子どもたちと接するときにとても役に立つと思います。(2024年度 O.K)


スタディツアー報告会 資料
以下のリンクから、学生の報告資料がご覧いただけます。